2021年4月15日木曜日

12年

これが私の最後の投稿です。

すべての物語に終わりがあるように、私のGRAPHISOFT Japanとの物語は約12年という、干支がほぼ一周するほどの長い年月を経過した2021年4月30日に終わろうとしています。

私たちの会社と製品を新しいレベルに引き上げることができる新しい世代にリーダーシップを渡す時が来ました。

振り返ってみると、これが私の人生で最高の12年だったと言っても過言ではありません。2009年のいわゆる「BIM元年」という、業界でBIMのコンセプトが普及しはじめたタイミングに日本に到着したのは幸運でした。それからBIMの使用が急増し、結果として日本でのArchicad ユーザー数は10倍になり、私達のビジネスは大幅に成長しました。

しかし、ビジネスの成功は、私がこの在職期間を楽しんだ理由の一つにすぎません。信頼できるビジネス文化、強い労働倫理、そして日本のオープンで居心地の良い雰囲気のすべてが、今では第2の故郷となった日本での私の幸せを作りあげてきました。私が最も誇りに思っているのはGRAPHISOFTの成長ではなく、GRAPHISOFTが単に良い製品を販売するだけにとどまらず、そのノウハウも提供する会社に進化したことです。私達は本当の意味で知識のプロバイダーになりつつあります。私達が提供するのはArchicadと呼ばれる単なるソフトウェアだけではなく、新しく、より効率的でより楽しい働き方です。そして、私達の活動がユーザーのさらなる成功とより良い建築を創造することに貢献できた時、私達の使命が達成されます。

ここで、私達のチームと製品を信頼してくださったすべてのお客様に感謝を述べたいと思います。私達が建築設計のための主要BIMアプリケーションになったことを、当然のものとしては考えていません。5年、10年、20年前、まだ私達がはるかに小さいチームで、Archicadが今のように大幅な進歩をしていなかった時に、私達を信頼するのは多くの勇気が必要だったと思います。お客様は今、私達は信頼を置くことに十分値すると感じていただけていることを心から願い、また私からバトンを受け取る者たちにもこの信頼を会社の最も貴重な資産として扱っていくよう伝えていきます。

パートナーの皆さまに感謝の意を表したいと思います。設立初期から私達と共にいて、良いときも悪いときも私達と一緒に働き続けてくれた方々もいます。最近はいい時期がたくさんあったと思っていただければ幸いです。そして、これからもこの良い関係が続いていくことを望んでいます。

そして最後に、日本の素晴らしいチーム、勤勉で熱心で心温まるたくさんの人々に感謝したいと思います。会社というよりも大きな家族のように感じています。お客様、パートナーの皆さま、そしてGRAPHISOFTをこれからもよろしくお願いします。6月にハンガリーに帰りますが、きっと日本とGRAPHISOFTを恋しく思うと確信しています。残念ながらこのパンデミックは私達が大規模なパーティーを行うことを許しませんが、これは本当のさようならではなく、きっといつかまた再会できると信じています。この忘れられない12年間をありがとうございました。

Bence Kovacs 



2020年3月31日火曜日

コロナの時代のBIM

コロナの時代のBIM

今では別世界の事のように見えますが、ついこの間まで、2020年を東京オリンピックの年として覚えるだろうと思っていました。しかし今年はコロナウイルスによるパンデミックの年として記憶に残る事となります…
これは非常に悲しいことですが、私たちは可能な限りこの状況に対処する必要があります。
GRAPHISOFTのような中規模ソフトウェア会社はこの状況で何ができるでしょうか?この混乱期にお客さま、パートナー、および自社の従業員を支援するのと同時に、この危機が終わった後、比較的軽傷で我々のミッションを続けることができるでしょうか。

何よりもまず必要なことは、人を守ることです。現状では、人が集まるイベントや対面研修を継続することは無責任であるため、集客を必要とするすべての活動を一時的に停止することとしました。その一環として、私は悲しいことに6月に予定されていた2回目のUSERFESTイベントを延期して再スケジュールすることを決定しました(正確なタイミングは後ほど決定します)。多くの方にご迷惑をおかけすることは承知しておりますが、こうした動きが命を救うことにつながることと考えていますので、何卒ご理解いただけますようお願いいたします。 既にGRAPHISOFTでも世界中でテレワークを開始しています。もしかしたらお気づきではないと思いますが、日本オフィスでも実施しました。しかしながら、この状況下でもカスタマーサービスの観点からは通常業務と比べて変化はなく、完全な形で業務を続けています。

次に、このような状況下でお客さまが当社のテクノロジーを継続して使用できるように準備しました。多くの企業が在宅勤務に切り替えるにつれて、私たちは自宅からARCHICADを継続して使用できるように全力を尽くします。シングルライセンスキを使用する場合は問題ありませんが、企業サーバーでネットワークライセンスを使用する場合は、ライセンスにアクセスできない場合があります。そのような状況にあるお客さまには解決策をご提案しますので、お問合せください。
自宅でARCHICADを使用するには、ライセンスを取得することが最も基本的な条件ですが、テレワークの状況では他にも問題が発生する可能性があります。このような問題を解決するために、テレワークでBIMを使用するためのヒントと情報をヘルプセンターにて公開しました。これらのページは更新し続けていますので、定期的にアクセスしてください。
また、トレーニングを一時的に停止する事になっても、BIMスキルの向上が妨げられることはありません。通常VIPserviceのお客さまに限定してご提供させていただいている自己学習教材を、これから当面の間一般公開することにしました。
チームワーク機能はARCHICADの一つの大きな強みであり、今日のような場合、離れた場所からの協力を可能にする事において、特に重要な力になります。 BIMcloudの使用を支援するために、私たちのパートナーである株式会社エスエスアイ・ラボ様が、独自のサーバーをセットアップできない、またはセットアップしたくないお客さまにもBIMcloudへアクセスできるようにサービスを提供していますのでご確認ください。

最後に、ウイルスの状況は日々変化しているため、迅速に対応する必要であり、また通常1週間または1か月かかるような決定を、数時間のうちに行う必要があります。速く行動すれば、より多くのことができますが、それに伴う間違いの可能性は確かに高くなります。しかし、これは私たちがとるべき計算上のリスクであり、ご理解いただけると幸いです。また、私たちがみなさまにご協力できることがありましたら、是非お知らせください。どのようなご提案にもオープンであり、ARCHICADコミュニティと協力して、みなさまがこのような時代に仕事を継続できるようお手伝いいたます。

GRAPHISOFTの新型コロナウイルス感染症の拡大防止への取り組みの詳細については、こちら(https://www.graphisoft.co.jp/info/about-corona.html)をご覧ください

Bence Kovacs

2019年10月3日木曜日

幸せなニュース


私がよく聞かれる質問(答えるのが最も難しい)の1つは、「日本におけるARCHICADの市場シェアはどのくらいですか?」です。これに答えるにはまず、定義から考える難しさがあります。市場シェアをどのように定義するのか? 建設業界全体として考えたものなのか?それとも設計者だけ? それでは、後者の場合はどのように数えるべきでしょうか。会社ごとか、それとも会社の中にいる人ごとにでしょうか? そしてまた、会社が特定の製品を購入すればシェアに含めるのでしょうか?それとも、ソフトウェアとしてただインストールされているのではなく、実際に使用されている場合にのみカウントする必要があるのでしょうか?

また次の問題としては 、実際に誰もこれについてしっかりと研究していなかったことです。ベンダーは、自社の販売データのみしか知らないので、ベンダーの言うことが正しいとは限りません。したがって 、これらの質問に対して私ができる答えというのは、ARCHICADは日本で最も広く使用されているBIMソフトウェアの1つであるというフィーリングがあるということだけです。しかし、フィーリングは非常にトリッキーなものです。フィーリングは 自分の欲望 によって簡単に影響 を受ける可能性があるため、信頼できるとは見なされません。

しかし幸いなことに、これからは気持ちをしっかりとした調査結果に基づいて話すことができます!  と言うのも、2018年に日事連の「BIMと情報環境ワーキンググループ」が、日本のBIMの使用状況について詳細な調査を行いました(http://www.njr.or.jp/list/01277.html )。この調査の様々な質問の中の一つに 「導入(予定含む)しているBIM ソフトウエアについて(複数選択可)?」というものがあり、この回答の中で最も多かったのがARCHICADでした!! また、ARCHICAD FULLとSoloのユーザーを合わせると、BIMを使用している建築事務所のおよそ2社に1社は、ARCHICADを使用している結果となっていました!

資料:日事連「建築士事務所のBIMとIT活用実態にかかわる調査報告書(WEB版)」より

そして、ここで私は、我々のすべての 顧客に「感謝のことば」を言わなければなりません。皆さんが、私たちと私たちの技術に信頼を置くことなくして、私たちはこのような立場にいることはできません。近年、全国のさまざまなARCHICADユーザーグループが構成され、運営してくれたすべての人たちに特に感謝しています。これらのグループは、ノウハウの創造とプロセスの刷新の起点となり、国内のBIMの成長に大きく貢献しています。

私はこの道を歩み続けることを約束します。ARCHICADを休むことなく成長させ、日本の顧客に申し分のないサービスを提供するために最善を尽くします!

2019年6月28日金曜日

USERFEST – Meet-up in Fukuoka 2019!

日本で初めてのUSERFESTが、いよいよ来週火曜日の開催となりました。ちょうどよい機会ですので、今回のブログではどうしてこのイベントが開催されるのかについてご紹介したいと思います。

この10年間で、日本のBIMユーザー数は飛躍的に増加しました。少数の熱心なユーザーによる使用から始まり、現在では業界内で広く受け入れられるまでになってきています。また、10年前と比較すると、日本におけるARCHICADユーザー数は10倍以上に増えています。ARCHICADは紛れもなく日本の主要なBIMプラットフォームの一つになったと言えるでしょう!

この成長の実現には、ハンガリー本社の開発者が限界に挑み、製品を継続的に改善し続けてきたこと、また、高いパフォーマンスを必要とするBIMソフトウェアの要求に対して、ハードウェアメーカーが高速でリーズナブルな価格のマシンを提供してきたことが重要でした。しかし、同じくらい重要なのは、BIMが単なるソフトウェアではなく、新しい働き方であるという認識、そして新しいノウハウです。これまでグラフィソフトジャパンでは、ユーザーの皆さまに必要なトレーニング教材や素材などを提供することに最善を尽くしてきましたが、一方でユーザーの皆さまがただ受動的に待つだけではなく、必要な知識の習得のために自らグループを作り自発的に行動されてきたことが非常に重要でした。この数年でユーザーグループは力強い成長をしており、全国で11のグループができました(もうすぐ12になります)。次のステップとして、このグループ間での結びつきを作り、互いに知識を共有し学習し合える、より大きなプラットフォームができるのは自然なことです。インターネットを介したミーティングも当然重要ではありますが、ARCHICADユーザー同士が経験を共有し、新しいトリックを教え合う、古き良きface-to-faceのミーティングに勝るものはありません!

これが日本初のUSERFESTを開催する主な理由です。私たちは、真剣な学びと、リラックスした楽しい時間の両方でバランスの取れたイベントを作りたいと思っています。これを機にARCHICADの知識を向上させたいという方にはさまざまなことが学べるBIMclassesをご用意していますし、またはこれまでwebを通じてしかやり取りする機会のなかった、ユーザー仲間の皆さんとビール(もしくはコーヒー)片手に語り合いたい、という方ももちろん歓迎いたします。私たちはイベント、会場、トレーニングなどのフレームワークを提供いたしますが、最も重要なコンテンツであるディスカッションには、参加者が不可欠です!そしてそれがこのイベントを本当のフェスティバルにします!

今回のUSERFESTが新しい伝統の始まりとなり、毎年開催できるように願っています。在り方は変わっていくかもしれませんが、それはユーザーの皆さまが望む方向への進化になるとよいと思っています。今年は福岡での開催です。西日本はユーザーコミュニティが特に強い地域ではありますが、来年は別の場所になるかもしれません。まだわかりませんが、今後は海外のユーザーとの交流も生まれることもありえます。
しかし、それらを考える前に、今はフェスティバルを始めましょう!


2019年4月1日月曜日

二人の男の物語

弊社Webサイトにてすでにご覧になったかもしれませんが、GRAPHISOFTのリーダーシップに変更があります!多くの皆様がご存知のViktor Varkonyiは、CEOとして10年の任期を終え、新しくHuw Robertsが次期CEOとして任命されます。このような変化は常に興奮を引き起こし、疑問を投げかけます。これは自然なことであり、お客様、パートナーの皆様は、今回のCEO交代の理由を知りたいと思うはずですし、その結果に何が期待できるのかを知りたいと思われるでしょう。

最も重要なこと、それは、これが良い変化であり、必要に迫られたものではなく、さらなる成功のためだということです。ViktorがCEOに就任してから10年の間に、GRAPHISOFTは売上を3倍にし、ヨーロッパを中心に活動していたソフトウェアベンダーから、真のグローバル企業へと成長しました。しかし、何よりも重要なことは、10年前に比べて約4倍以上の建築家、および建設会社の専門家が、1日の仕事をARCHICADを起動することから始めているということです!ここまでの道のりには、多くの人々のこれまでの仕事(もちろんお客様、パートナーの皆様を含みます)が寄与していますが、27年間(彼は入社時開発担当でした)に及ぶViktorのGRAPHISOFTにおける貢献は計り知れないもので、彼がやり遂げてきたことに、私たちは皆、心から感謝しています。

いいニュースがあります。彼は本当にどこかへ去ってしまうわけではありません。ご存知のとおり、2007年にGRAPHISOFTはドイツのNEMETSCHEKグループの一員となりました。NEMETSCHEK Groupは現在、建設産業における世界第2位のソフトウェアベンダーです。これまでのViktorの功績を考えれば、業界内で急成長しているNEMETSCHEKブランドをさらに発展させるためのリーダーとして、Viktorに声がかかるのは驚くことではありません。ViktorはNEMETSCHEKグループの各ブランド間におけるコラボレーションを強化し、さらに新設された「Planning&Design」部門を率いることになります。将来的には、デジタルデリバリーのための本格的なプラットフォームとして、また日本市場に参入する他の製品として、「NEMETSCHEK」ブランドを目にしていただく機会がもっと増えることを願っています。

Viktor Varkonyi(左)
Huw Roberts(右)

弊社の次期CEOとなるHuw Roberts(ヒュー)は、Bentleyの経営層として長年携わってきた、経験豊富な業界のベテランです。GRAPHISOFTが世界的に成功するためのマーケティングにおける豊富な経験をもっています。彼はGRAPHISOFTを新しいレベルに引き上げるためのエネルギーに満ちており(目標は3〜5年で会社を2倍の規模にすることです)、私は個人的にこの変化に非常に興奮しています!Huwは日本市場の重要性と独自性を完全に理解しており、近日中に日本を訪問することも約束しました。

最後に、よく聞かれる質問ですが(特に新しいボスが別の国から来た場合)、それは企業の文化にどのような影響を与えるでしょうか? 皆様がご存知に通り、弊社の企業文化は非常に深く、強固に根付いています。情熱的で、製品をご愛顧いただいているお客様がいらっしゃることもあり、トップからの指示で簡単に変わるものではなく、これがARCHICADコミュニティを強く結びつけている重要な要素でもあります。幸いなことに、Huw本人もこれを認識しています。彼がGRAPHISOFTに加わる主な理由の一つ、それが弊社の文化でした。彼はまもなく家族とともにブダペストへ住まいを移し、そして真の「グラフィマン」となるでしょう!彼が英語の話し方を忘れないことを願っています......

2018年5月30日水曜日

10年間の混乱を経て

新しく、革新的な技術というものは通常スムーズに受け入れられないものです。自動車が登場した時、それは馬車の運転手や所有者にとってよいニュースではなかったでしょう(すぐに自動車を購入して運転方法を身につければ別ですが)。PCでのDTP(デスクトップパブリッシング)の登場は、印刷業界においてかなりの混乱と激動の原因となって、新しい企業が生まれ、そしていくつかの企業は廃業を余儀なくされました。インターネット上にはさまざまな新しいメディアのwebサイトが現れ、紙媒体の新聞市場を脅かしており、既存のメディアもネットでのサービスを提供する必要に迫られたり、あるいは市場から撤退するものもあります。「破壊的技術*」という言葉があります。これはそれまでの技術と根本的に違う新しいものが導入される際には、困難や痛みを伴うという意味で使われます。

約10年前、BIMの概念が日本で急速に普及し始めた当初は、BIMの導入によって、建設産業における困難が、努力を必要とせずに解決されるようになるという淡い期待がありました。現在では、この「無垢」な段階は過去のものとなり、BIMのように既存の価値観を打ち砕く「破壊的技術」が最初にもたらすものは、混乱だとわかってきました。BIMは、コンピュータや2D CADシステムのように、それまで行っていた作業をテクノロジーによって高速化する技術とは違い、ワークフロー自体にはるかに大きな変化を与えます。従って、BIMは新しいワークフローを必要とし、この変化は組織にとってしばしば苦痛をともなうものになります。役割と責任の再編を意味する場合は特にそうです。これが当初想定されていたよりも、BIMの導入ペースが長期化するように思われる理由です。

一方で、これらの大きな変化を乗り越えることができた企業は、すでに優れたサービスを提供し、より高い収益性を達成することで、利益を享受し競争の優位を獲得しています。BIMの導入に成功した企業は、次のようないくつかの共通点があるようです。


  • 「BIMはソフトウェアではなくプロセスである」というマントラを深く理解しており、新たなワークフローを開発し、OPEN BIMコンセプトを完全に受け入れることに積極的である。


  • (一部上の項目と重なりますが)OPEN BIMのコンセプトを完全に取り入れて、BIMが単一製品でのプロセスではないと理解している。


  • "混乱期"を切り抜ける強いリーダシップをもっており、社内で一時的に不評を買う、あるいは一部のグループと利益が反する決定をすることを恐れない。


当社においては、私たちの仕事は単にBIMソフトウェアを販売するだけではないと常に信じてきました。成功するためには「ナレッジベンダー」になり、お客様が独自のノウハウを作成することをお手伝いする必要があります。私は、これが今後10年間、日本におけるBIMの発展を導き続ける哲学であると確信しています。

* 1995年にClayton M. Christensen(有名な「Innovator's Dilemma」の著者)が作成した言葉。「破壊的革新」とも呼ばれる。

2017年12月19日火曜日

羽根を集める

世の中には、切手を収集する人や、ビンテージバイク、有名ブランドの時計をコレクションする人がいます。 GRAPHISOFTでは「羽根」を集めます。



初めての「羽根」は勤続10年が経った時にもらえます。その次は15年。5年ごとに1つもらえます。「羽根」の受賞式は、近年クリスマスパーティで行われるようになりました。ここ数年でブダペストのチームだけではなく、世界各国のGRAPHISOFTオフィスの対象者が招待されることが慣習となりました。もちろん渡航費用は会社負担です。つまり、時間が経てばすべての従業員は5年ごとに本社を訪れるチャンスがあるということです。

今年は3名のグラフィソフトジャパンメンバー(に加えて年間「MVP」を受賞したメンバーも)がクリスマスパーティに参加したことを非常に誇りに思います!すべてのGRAPHISOFTグループ会社(ハンガリー本社を除く)でもトップの参加者数でした!

今回のパーティは空想的で非現実的な雰囲気でした。最近は毎年「テーマ」があり、今年のテーマは「不思議の国のアリス」でした。パーティはブダペストで人気の大規模なイベントスペース「Millenáris」で開催されました。今回はパーティのために会場名を「GRAPHISOFT Wonderland」に改称されて、装飾されていました。
会場はいくつかのエリアに分かれており、「赤の女王の城」や、「白の女王の大広間」、「マッドハッターのお茶会」、さらに「白うさぎのコンサートホール(ちなみにここは後にカラオケ会場になりました)」。会場の中央では巨大なチェステーブルがステージになっていました。参加者は400名以上!テーマに合うように「黒、白、赤」でドレスアップすることになっていました。皆本当に華やかでした!








パーティーの合間でCEOのViktor Varkonyiと、創業者であり現在チェアマンでもあるGabor Bojarがマイクを持って、「羽根」を一人一人に手渡しました。今年は30名以上の受賞者がいましたのでしばらく時間がかかりましたが、すべての人が称賛の言葉をかけられ、私たちのリーダーと握手や記念撮影をしました。勤続10年の方が一番多いかなと思われていましたが、実際には15年、20年、さらには25年の方もいました!そして最後に、Gabor Bojarがステージから降りた後、彼の名前が呼ばれました。確かに、彼は35年前にGRAPHISOFTに「入社」しました(創業した時です)ので、「羽根」を受け取る権利があります。ですよね?

グラフィソフトジャパンの新川(陳)は勤続20年で表彰されました

ところで、なぜ「羽根」なのでしょうか?「羽根」(元々は虹色でした)は、GRAPHISOFTの最初のロゴでした。1980年代のころです。それは当時のAppleのロゴを参考にしている一方で、「羽根」は技能や作図を象徴していました(私たちがまだBIMの哲学に完全に取り組む前です)。その後、ロゴとしての「羽根」はなくなりましたが、今も大切な従業員に敬意を表する形として残っています。


もしかすると、「これは素晴らしい慣習であるかもしれないが、顧客には関係のないことだ」と思われるかもしれません。しかし、私はこう思います。

まず、企業文化はその姿を社外に投影するものです。会社が従業員である彼もしくは彼女を大事にしていなければ、どうして従業員に顧客を大事にしてもらうことを期待できるでしょうか?私は、幸せな従業員がいる企業こそが、長期的に顧客を満足させる製品を作ることができると強く信じています。一方で、技術的な面でも理由があります。何百万行ものコードを持つARCHICAD(または他のBIMソフトウェア)のような複雑なソフトウェアを開発する場合、ソフトウェアのその部分のコードを書いた人が会社を去ると、どのように注意深く文書化しているかに関わらず、その他の人たちはその部分に触れるのを嫌います。そうすると、それは簡単に(バグを引き起こす)何かしらの混乱につながります。これが古参の開発者の役割が非常に重要である理由です。過去と未来をつなぐ役割であり、完璧さを求められる今後の機能開発の可能性の象徴なのです。このような従業員がたくさんいるという事実は、ソフトウェア業界でしばしば発生する、とても苦しい「新鮮なスタート(機能の喪失および互換性のないデータを伴うものです)」を回避し、継続してソフトウェアのあらゆる部分を改善していくことを可能にします。ますます価値のあるBIMデータが作成されるにつれて、このような継続性が重要になってきています。ソフトウェアのコードが複雑になってきたという理由でコードをリセットすることにより、そのソフトウェアで作成されたBIMデータが10年後に使えなくなってしまうことを、お客様は望まないでしょう。私たちGRAPHISOFTは創業から30年以上が経ちました。今後も多くの「羽根」を手渡していけることを期待しています。

グラフィソフトジャパンにおいては、いろんな出来事があったこの一年を成功裏に終えようとしています。同僚、パートナーの皆様、そして大切なお客様に感謝いたします。弊社、そして弊社製品、技術を信頼いただき、今年もエキサイティングな分野で働くことができました。

メリークリスマス、そして幸せな新年をお祈りします!

よいお年を!