これが私の最後の投稿です。
私たちの会社と製品を新しいレベルに引き上げることができる新しい世代にリーダーシップを渡す時が来ました。
振り返ってみると、これが私の人生で最高の12年だったと言っても過言ではありません。2009年のいわゆる「BIM元年」という、業界でBIMのコンセプトが普及しはじめたタイミングに日本に到着したのは幸運でした。それからBIMの使用が急増し、結果として日本でのArchicad ユーザー数は10倍になり、私達のビジネスは大幅に成長しました。
しかし、ビジネスの成功は、私がこの在職期間を楽しんだ理由の一つにすぎません。信頼できるビジネス文化、強い労働倫理、そして日本のオープンで居心地の良い雰囲気のすべてが、今では第2の故郷となった日本での私の幸せを作りあげてきました。私が最も誇りに思っているのはGRAPHISOFTの成長ではなく、GRAPHISOFTが単に良い製品を販売するだけにとどまらず、そのノウハウも提供する会社に進化したことです。私達は本当の意味で知識のプロバイダーになりつつあります。私達が提供するのはArchicadと呼ばれる単なるソフトウェアだけではなく、新しく、より効率的でより楽しい働き方です。そして、私達の活動がユーザーのさらなる成功とより良い建築を創造することに貢献できた時、私達の使命が達成されます。
ここで、私達のチームと製品を信頼してくださったすべてのお客様に感謝を述べたいと思います。私達が建築設計のための主要BIMアプリケーションになったことを、当然のものとしては考えていません。5年、10年、20年前、まだ私達がはるかに小さいチームで、Archicadが今のように大幅な進歩をしていなかった時に、私達を信頼するのは多くの勇気が必要だったと思います。お客様は今、私達は信頼を置くことに十分値すると感じていただけていることを心から願い、また私からバトンを受け取る者たちにもこの信頼を会社の最も貴重な資産として扱っていくよう伝えていきます。
パートナーの皆さまに感謝の意を表したいと思います。設立初期から私達と共にいて、良いときも悪いときも私達と一緒に働き続けてくれた方々もいます。最近はいい時期がたくさんあったと思っていただければ幸いです。そして、これからもこの良い関係が続いていくことを望んでいます。
そして最後に、日本の素晴らしいチーム、勤勉で熱心で心温まるたくさんの人々に感謝したいと思います。会社というよりも大きな家族のように感じています。お客様、パートナーの皆さま、そしてGRAPHISOFTをこれからもよろしくお願いします。6月にハンガリーに帰りますが、きっと日本とGRAPHISOFTを恋しく思うと確信しています。残念ながらこのパンデミックは私達が大規模なパーティーを行うことを許しませんが、これは本当のさようならではなく、きっといつかまた再会できると信じています。この忘れられない12年間をありがとうございました。
Bence Kovacs