2019年10月3日木曜日

幸せなニュース


私がよく聞かれる質問(答えるのが最も難しい)の1つは、「日本におけるARCHICADの市場シェアはどのくらいですか?」です。これに答えるにはまず、定義から考える難しさがあります。市場シェアをどのように定義するのか? 建設業界全体として考えたものなのか?それとも設計者だけ? それでは、後者の場合はどのように数えるべきでしょうか。会社ごとか、それとも会社の中にいる人ごとにでしょうか? そしてまた、会社が特定の製品を購入すればシェアに含めるのでしょうか?それとも、ソフトウェアとしてただインストールされているのではなく、実際に使用されている場合にのみカウントする必要があるのでしょうか?

また次の問題としては 、実際に誰もこれについてしっかりと研究していなかったことです。ベンダーは、自社の販売データのみしか知らないので、ベンダーの言うことが正しいとは限りません。したがって 、これらの質問に対して私ができる答えというのは、ARCHICADは日本で最も広く使用されているBIMソフトウェアの1つであるというフィーリングがあるということだけです。しかし、フィーリングは非常にトリッキーなものです。フィーリングは 自分の欲望 によって簡単に影響 を受ける可能性があるため、信頼できるとは見なされません。

しかし幸いなことに、これからは気持ちをしっかりとした調査結果に基づいて話すことができます!  と言うのも、2018年に日事連の「BIMと情報環境ワーキンググループ」が、日本のBIMの使用状況について詳細な調査を行いました(http://www.njr.or.jp/list/01277.html )。この調査の様々な質問の中の一つに 「導入(予定含む)しているBIM ソフトウエアについて(複数選択可)?」というものがあり、この回答の中で最も多かったのがARCHICADでした!! また、ARCHICAD FULLとSoloのユーザーを合わせると、BIMを使用している建築事務所のおよそ2社に1社は、ARCHICADを使用している結果となっていました!

資料:日事連「建築士事務所のBIMとIT活用実態にかかわる調査報告書(WEB版)」より

そして、ここで私は、我々のすべての 顧客に「感謝のことば」を言わなければなりません。皆さんが、私たちと私たちの技術に信頼を置くことなくして、私たちはこのような立場にいることはできません。近年、全国のさまざまなARCHICADユーザーグループが構成され、運営してくれたすべての人たちに特に感謝しています。これらのグループは、ノウハウの創造とプロセスの刷新の起点となり、国内のBIMの成長に大きく貢献しています。

私はこの道を歩み続けることを約束します。ARCHICADを休むことなく成長させ、日本の顧客に申し分のないサービスを提供するために最善を尽くします!

2019年6月28日金曜日

USERFEST – Meet-up in Fukuoka 2019!

日本で初めてのUSERFESTが、いよいよ来週火曜日の開催となりました。ちょうどよい機会ですので、今回のブログではどうしてこのイベントが開催されるのかについてご紹介したいと思います。

この10年間で、日本のBIMユーザー数は飛躍的に増加しました。少数の熱心なユーザーによる使用から始まり、現在では業界内で広く受け入れられるまでになってきています。また、10年前と比較すると、日本におけるARCHICADユーザー数は10倍以上に増えています。ARCHICADは紛れもなく日本の主要なBIMプラットフォームの一つになったと言えるでしょう!

この成長の実現には、ハンガリー本社の開発者が限界に挑み、製品を継続的に改善し続けてきたこと、また、高いパフォーマンスを必要とするBIMソフトウェアの要求に対して、ハードウェアメーカーが高速でリーズナブルな価格のマシンを提供してきたことが重要でした。しかし、同じくらい重要なのは、BIMが単なるソフトウェアではなく、新しい働き方であるという認識、そして新しいノウハウです。これまでグラフィソフトジャパンでは、ユーザーの皆さまに必要なトレーニング教材や素材などを提供することに最善を尽くしてきましたが、一方でユーザーの皆さまがただ受動的に待つだけではなく、必要な知識の習得のために自らグループを作り自発的に行動されてきたことが非常に重要でした。この数年でユーザーグループは力強い成長をしており、全国で11のグループができました(もうすぐ12になります)。次のステップとして、このグループ間での結びつきを作り、互いに知識を共有し学習し合える、より大きなプラットフォームができるのは自然なことです。インターネットを介したミーティングも当然重要ではありますが、ARCHICADユーザー同士が経験を共有し、新しいトリックを教え合う、古き良きface-to-faceのミーティングに勝るものはありません!

これが日本初のUSERFESTを開催する主な理由です。私たちは、真剣な学びと、リラックスした楽しい時間の両方でバランスの取れたイベントを作りたいと思っています。これを機にARCHICADの知識を向上させたいという方にはさまざまなことが学べるBIMclassesをご用意していますし、またはこれまでwebを通じてしかやり取りする機会のなかった、ユーザー仲間の皆さんとビール(もしくはコーヒー)片手に語り合いたい、という方ももちろん歓迎いたします。私たちはイベント、会場、トレーニングなどのフレームワークを提供いたしますが、最も重要なコンテンツであるディスカッションには、参加者が不可欠です!そしてそれがこのイベントを本当のフェスティバルにします!

今回のUSERFESTが新しい伝統の始まりとなり、毎年開催できるように願っています。在り方は変わっていくかもしれませんが、それはユーザーの皆さまが望む方向への進化になるとよいと思っています。今年は福岡での開催です。西日本はユーザーコミュニティが特に強い地域ではありますが、来年は別の場所になるかもしれません。まだわかりませんが、今後は海外のユーザーとの交流も生まれることもありえます。
しかし、それらを考える前に、今はフェスティバルを始めましょう!


2019年4月1日月曜日

二人の男の物語

弊社Webサイトにてすでにご覧になったかもしれませんが、GRAPHISOFTのリーダーシップに変更があります!多くの皆様がご存知のViktor Varkonyiは、CEOとして10年の任期を終え、新しくHuw Robertsが次期CEOとして任命されます。このような変化は常に興奮を引き起こし、疑問を投げかけます。これは自然なことであり、お客様、パートナーの皆様は、今回のCEO交代の理由を知りたいと思うはずですし、その結果に何が期待できるのかを知りたいと思われるでしょう。

最も重要なこと、それは、これが良い変化であり、必要に迫られたものではなく、さらなる成功のためだということです。ViktorがCEOに就任してから10年の間に、GRAPHISOFTは売上を3倍にし、ヨーロッパを中心に活動していたソフトウェアベンダーから、真のグローバル企業へと成長しました。しかし、何よりも重要なことは、10年前に比べて約4倍以上の建築家、および建設会社の専門家が、1日の仕事をARCHICADを起動することから始めているということです!ここまでの道のりには、多くの人々のこれまでの仕事(もちろんお客様、パートナーの皆様を含みます)が寄与していますが、27年間(彼は入社時開発担当でした)に及ぶViktorのGRAPHISOFTにおける貢献は計り知れないもので、彼がやり遂げてきたことに、私たちは皆、心から感謝しています。

いいニュースがあります。彼は本当にどこかへ去ってしまうわけではありません。ご存知のとおり、2007年にGRAPHISOFTはドイツのNEMETSCHEKグループの一員となりました。NEMETSCHEK Groupは現在、建設産業における世界第2位のソフトウェアベンダーです。これまでのViktorの功績を考えれば、業界内で急成長しているNEMETSCHEKブランドをさらに発展させるためのリーダーとして、Viktorに声がかかるのは驚くことではありません。ViktorはNEMETSCHEKグループの各ブランド間におけるコラボレーションを強化し、さらに新設された「Planning&Design」部門を率いることになります。将来的には、デジタルデリバリーのための本格的なプラットフォームとして、また日本市場に参入する他の製品として、「NEMETSCHEK」ブランドを目にしていただく機会がもっと増えることを願っています。

Viktor Varkonyi(左)
Huw Roberts(右)

弊社の次期CEOとなるHuw Roberts(ヒュー)は、Bentleyの経営層として長年携わってきた、経験豊富な業界のベテランです。GRAPHISOFTが世界的に成功するためのマーケティングにおける豊富な経験をもっています。彼はGRAPHISOFTを新しいレベルに引き上げるためのエネルギーに満ちており(目標は3〜5年で会社を2倍の規模にすることです)、私は個人的にこの変化に非常に興奮しています!Huwは日本市場の重要性と独自性を完全に理解しており、近日中に日本を訪問することも約束しました。

最後に、よく聞かれる質問ですが(特に新しいボスが別の国から来た場合)、それは企業の文化にどのような影響を与えるでしょうか? 皆様がご存知に通り、弊社の企業文化は非常に深く、強固に根付いています。情熱的で、製品をご愛顧いただいているお客様がいらっしゃることもあり、トップからの指示で簡単に変わるものではなく、これがARCHICADコミュニティを強く結びつけている重要な要素でもあります。幸いなことに、Huw本人もこれを認識しています。彼がGRAPHISOFTに加わる主な理由の一つ、それが弊社の文化でした。彼はまもなく家族とともにブダペストへ住まいを移し、そして真の「グラフィマン」となるでしょう!彼が英語の話し方を忘れないことを願っています......