2019年10月3日木曜日

幸せなニュース


私がよく聞かれる質問(答えるのが最も難しい)の1つは、「日本におけるARCHICADの市場シェアはどのくらいですか?」です。これに答えるにはまず、定義から考える難しさがあります。市場シェアをどのように定義するのか? 建設業界全体として考えたものなのか?それとも設計者だけ? それでは、後者の場合はどのように数えるべきでしょうか。会社ごとか、それとも会社の中にいる人ごとにでしょうか? そしてまた、会社が特定の製品を購入すればシェアに含めるのでしょうか?それとも、ソフトウェアとしてただインストールされているのではなく、実際に使用されている場合にのみカウントする必要があるのでしょうか?

また次の問題としては 、実際に誰もこれについてしっかりと研究していなかったことです。ベンダーは、自社の販売データのみしか知らないので、ベンダーの言うことが正しいとは限りません。したがって 、これらの質問に対して私ができる答えというのは、ARCHICADは日本で最も広く使用されているBIMソフトウェアの1つであるというフィーリングがあるということだけです。しかし、フィーリングは非常にトリッキーなものです。フィーリングは 自分の欲望 によって簡単に影響 を受ける可能性があるため、信頼できるとは見なされません。

しかし幸いなことに、これからは気持ちをしっかりとした調査結果に基づいて話すことができます!  と言うのも、2018年に日事連の「BIMと情報環境ワーキンググループ」が、日本のBIMの使用状況について詳細な調査を行いました(http://www.njr.or.jp/list/01277.html )。この調査の様々な質問の中の一つに 「導入(予定含む)しているBIM ソフトウエアについて(複数選択可)?」というものがあり、この回答の中で最も多かったのがARCHICADでした!! また、ARCHICAD FULLとSoloのユーザーを合わせると、BIMを使用している建築事務所のおよそ2社に1社は、ARCHICADを使用している結果となっていました!

資料:日事連「建築士事務所のBIMとIT活用実態にかかわる調査報告書(WEB版)」より

そして、ここで私は、我々のすべての 顧客に「感謝のことば」を言わなければなりません。皆さんが、私たちと私たちの技術に信頼を置くことなくして、私たちはこのような立場にいることはできません。近年、全国のさまざまなARCHICADユーザーグループが構成され、運営してくれたすべての人たちに特に感謝しています。これらのグループは、ノウハウの創造とプロセスの刷新の起点となり、国内のBIMの成長に大きく貢献しています。

私はこの道を歩み続けることを約束します。ARCHICADを休むことなく成長させ、日本の顧客に申し分のないサービスを提供するために最善を尽くします!

2019年6月28日金曜日

USERFEST – Meet-up in Fukuoka 2019!

日本で初めてのUSERFESTが、いよいよ来週火曜日の開催となりました。ちょうどよい機会ですので、今回のブログではどうしてこのイベントが開催されるのかについてご紹介したいと思います。

この10年間で、日本のBIMユーザー数は飛躍的に増加しました。少数の熱心なユーザーによる使用から始まり、現在では業界内で広く受け入れられるまでになってきています。また、10年前と比較すると、日本におけるARCHICADユーザー数は10倍以上に増えています。ARCHICADは紛れもなく日本の主要なBIMプラットフォームの一つになったと言えるでしょう!

この成長の実現には、ハンガリー本社の開発者が限界に挑み、製品を継続的に改善し続けてきたこと、また、高いパフォーマンスを必要とするBIMソフトウェアの要求に対して、ハードウェアメーカーが高速でリーズナブルな価格のマシンを提供してきたことが重要でした。しかし、同じくらい重要なのは、BIMが単なるソフトウェアではなく、新しい働き方であるという認識、そして新しいノウハウです。これまでグラフィソフトジャパンでは、ユーザーの皆さまに必要なトレーニング教材や素材などを提供することに最善を尽くしてきましたが、一方でユーザーの皆さまがただ受動的に待つだけではなく、必要な知識の習得のために自らグループを作り自発的に行動されてきたことが非常に重要でした。この数年でユーザーグループは力強い成長をしており、全国で11のグループができました(もうすぐ12になります)。次のステップとして、このグループ間での結びつきを作り、互いに知識を共有し学習し合える、より大きなプラットフォームができるのは自然なことです。インターネットを介したミーティングも当然重要ではありますが、ARCHICADユーザー同士が経験を共有し、新しいトリックを教え合う、古き良きface-to-faceのミーティングに勝るものはありません!

これが日本初のUSERFESTを開催する主な理由です。私たちは、真剣な学びと、リラックスした楽しい時間の両方でバランスの取れたイベントを作りたいと思っています。これを機にARCHICADの知識を向上させたいという方にはさまざまなことが学べるBIMclassesをご用意していますし、またはこれまでwebを通じてしかやり取りする機会のなかった、ユーザー仲間の皆さんとビール(もしくはコーヒー)片手に語り合いたい、という方ももちろん歓迎いたします。私たちはイベント、会場、トレーニングなどのフレームワークを提供いたしますが、最も重要なコンテンツであるディスカッションには、参加者が不可欠です!そしてそれがこのイベントを本当のフェスティバルにします!

今回のUSERFESTが新しい伝統の始まりとなり、毎年開催できるように願っています。在り方は変わっていくかもしれませんが、それはユーザーの皆さまが望む方向への進化になるとよいと思っています。今年は福岡での開催です。西日本はユーザーコミュニティが特に強い地域ではありますが、来年は別の場所になるかもしれません。まだわかりませんが、今後は海外のユーザーとの交流も生まれることもありえます。
しかし、それらを考える前に、今はフェスティバルを始めましょう!


2019年4月1日月曜日

二人の男の物語

弊社Webサイトにてすでにご覧になったかもしれませんが、GRAPHISOFTのリーダーシップに変更があります!多くの皆様がご存知のViktor Varkonyiは、CEOとして10年の任期を終え、新しくHuw Robertsが次期CEOとして任命されます。このような変化は常に興奮を引き起こし、疑問を投げかけます。これは自然なことであり、お客様、パートナーの皆様は、今回のCEO交代の理由を知りたいと思うはずですし、その結果に何が期待できるのかを知りたいと思われるでしょう。

最も重要なこと、それは、これが良い変化であり、必要に迫られたものではなく、さらなる成功のためだということです。ViktorがCEOに就任してから10年の間に、GRAPHISOFTは売上を3倍にし、ヨーロッパを中心に活動していたソフトウェアベンダーから、真のグローバル企業へと成長しました。しかし、何よりも重要なことは、10年前に比べて約4倍以上の建築家、および建設会社の専門家が、1日の仕事をARCHICADを起動することから始めているということです!ここまでの道のりには、多くの人々のこれまでの仕事(もちろんお客様、パートナーの皆様を含みます)が寄与していますが、27年間(彼は入社時開発担当でした)に及ぶViktorのGRAPHISOFTにおける貢献は計り知れないもので、彼がやり遂げてきたことに、私たちは皆、心から感謝しています。

いいニュースがあります。彼は本当にどこかへ去ってしまうわけではありません。ご存知のとおり、2007年にGRAPHISOFTはドイツのNEMETSCHEKグループの一員となりました。NEMETSCHEK Groupは現在、建設産業における世界第2位のソフトウェアベンダーです。これまでのViktorの功績を考えれば、業界内で急成長しているNEMETSCHEKブランドをさらに発展させるためのリーダーとして、Viktorに声がかかるのは驚くことではありません。ViktorはNEMETSCHEKグループの各ブランド間におけるコラボレーションを強化し、さらに新設された「Planning&Design」部門を率いることになります。将来的には、デジタルデリバリーのための本格的なプラットフォームとして、また日本市場に参入する他の製品として、「NEMETSCHEK」ブランドを目にしていただく機会がもっと増えることを願っています。

Viktor Varkonyi(左)
Huw Roberts(右)

弊社の次期CEOとなるHuw Roberts(ヒュー)は、Bentleyの経営層として長年携わってきた、経験豊富な業界のベテランです。GRAPHISOFTが世界的に成功するためのマーケティングにおける豊富な経験をもっています。彼はGRAPHISOFTを新しいレベルに引き上げるためのエネルギーに満ちており(目標は3〜5年で会社を2倍の規模にすることです)、私は個人的にこの変化に非常に興奮しています!Huwは日本市場の重要性と独自性を完全に理解しており、近日中に日本を訪問することも約束しました。

最後に、よく聞かれる質問ですが(特に新しいボスが別の国から来た場合)、それは企業の文化にどのような影響を与えるでしょうか? 皆様がご存知に通り、弊社の企業文化は非常に深く、強固に根付いています。情熱的で、製品をご愛顧いただいているお客様がいらっしゃることもあり、トップからの指示で簡単に変わるものではなく、これがARCHICADコミュニティを強く結びつけている重要な要素でもあります。幸いなことに、Huw本人もこれを認識しています。彼がGRAPHISOFTに加わる主な理由の一つ、それが弊社の文化でした。彼はまもなく家族とともにブダペストへ住まいを移し、そして真の「グラフィマン」となるでしょう!彼が英語の話し方を忘れないことを願っています......

2018年5月30日水曜日

10年間の混乱を経て

新しく、革新的な技術というものは通常スムーズに受け入れられないものです。自動車が登場した時、それは馬車の運転手や所有者にとってよいニュースではなかったでしょう(すぐに自動車を購入して運転方法を身につければ別ですが)。PCでのDTP(デスクトップパブリッシング)の登場は、印刷業界においてかなりの混乱と激動の原因となって、新しい企業が生まれ、そしていくつかの企業は廃業を余儀なくされました。インターネット上にはさまざまな新しいメディアのwebサイトが現れ、紙媒体の新聞市場を脅かしており、既存のメディアもネットでのサービスを提供する必要に迫られたり、あるいは市場から撤退するものもあります。「破壊的技術*」という言葉があります。これはそれまでの技術と根本的に違う新しいものが導入される際には、困難や痛みを伴うという意味で使われます。

約10年前、BIMの概念が日本で急速に普及し始めた当初は、BIMの導入によって、建設産業における困難が、努力を必要とせずに解決されるようになるという淡い期待がありました。現在では、この「無垢」な段階は過去のものとなり、BIMのように既存の価値観を打ち砕く「破壊的技術」が最初にもたらすものは、混乱だとわかってきました。BIMは、コンピュータや2D CADシステムのように、それまで行っていた作業をテクノロジーによって高速化する技術とは違い、ワークフロー自体にはるかに大きな変化を与えます。従って、BIMは新しいワークフローを必要とし、この変化は組織にとってしばしば苦痛をともなうものになります。役割と責任の再編を意味する場合は特にそうです。これが当初想定されていたよりも、BIMの導入ペースが長期化するように思われる理由です。

一方で、これらの大きな変化を乗り越えることができた企業は、すでに優れたサービスを提供し、より高い収益性を達成することで、利益を享受し競争の優位を獲得しています。BIMの導入に成功した企業は、次のようないくつかの共通点があるようです。


  • 「BIMはソフトウェアではなくプロセスである」というマントラを深く理解しており、新たなワークフローを開発し、OPEN BIMコンセプトを完全に受け入れることに積極的である。


  • (一部上の項目と重なりますが)OPEN BIMのコンセプトを完全に取り入れて、BIMが単一製品でのプロセスではないと理解している。


  • "混乱期"を切り抜ける強いリーダシップをもっており、社内で一時的に不評を買う、あるいは一部のグループと利益が反する決定をすることを恐れない。


当社においては、私たちの仕事は単にBIMソフトウェアを販売するだけではないと常に信じてきました。成功するためには「ナレッジベンダー」になり、お客様が独自のノウハウを作成することをお手伝いする必要があります。私は、これが今後10年間、日本におけるBIMの発展を導き続ける哲学であると確信しています。

* 1995年にClayton M. Christensen(有名な「Innovator's Dilemma」の著者)が作成した言葉。「破壊的革新」とも呼ばれる。

2017年12月19日火曜日

羽根を集める

世の中には、切手を収集する人や、ビンテージバイク、有名ブランドの時計をコレクションする人がいます。 GRAPHISOFTでは「羽根」を集めます。



初めての「羽根」は勤続10年が経った時にもらえます。その次は15年。5年ごとに1つもらえます。「羽根」の受賞式は、近年クリスマスパーティで行われるようになりました。ここ数年でブダペストのチームだけではなく、世界各国のGRAPHISOFTオフィスの対象者が招待されることが慣習となりました。もちろん渡航費用は会社負担です。つまり、時間が経てばすべての従業員は5年ごとに本社を訪れるチャンスがあるということです。

今年は3名のグラフィソフトジャパンメンバー(に加えて年間「MVP」を受賞したメンバーも)がクリスマスパーティに参加したことを非常に誇りに思います!すべてのGRAPHISOFTグループ会社(ハンガリー本社を除く)でもトップの参加者数でした!

今回のパーティは空想的で非現実的な雰囲気でした。最近は毎年「テーマ」があり、今年のテーマは「不思議の国のアリス」でした。パーティはブダペストで人気の大規模なイベントスペース「Millenáris」で開催されました。今回はパーティのために会場名を「GRAPHISOFT Wonderland」に改称されて、装飾されていました。
会場はいくつかのエリアに分かれており、「赤の女王の城」や、「白の女王の大広間」、「マッドハッターのお茶会」、さらに「白うさぎのコンサートホール(ちなみにここは後にカラオケ会場になりました)」。会場の中央では巨大なチェステーブルがステージになっていました。参加者は400名以上!テーマに合うように「黒、白、赤」でドレスアップすることになっていました。皆本当に華やかでした!








パーティーの合間でCEOのViktor Varkonyiと、創業者であり現在チェアマンでもあるGabor Bojarがマイクを持って、「羽根」を一人一人に手渡しました。今年は30名以上の受賞者がいましたのでしばらく時間がかかりましたが、すべての人が称賛の言葉をかけられ、私たちのリーダーと握手や記念撮影をしました。勤続10年の方が一番多いかなと思われていましたが、実際には15年、20年、さらには25年の方もいました!そして最後に、Gabor Bojarがステージから降りた後、彼の名前が呼ばれました。確かに、彼は35年前にGRAPHISOFTに「入社」しました(創業した時です)ので、「羽根」を受け取る権利があります。ですよね?

グラフィソフトジャパンの新川(陳)は勤続20年で表彰されました

ところで、なぜ「羽根」なのでしょうか?「羽根」(元々は虹色でした)は、GRAPHISOFTの最初のロゴでした。1980年代のころです。それは当時のAppleのロゴを参考にしている一方で、「羽根」は技能や作図を象徴していました(私たちがまだBIMの哲学に完全に取り組む前です)。その後、ロゴとしての「羽根」はなくなりましたが、今も大切な従業員に敬意を表する形として残っています。


もしかすると、「これは素晴らしい慣習であるかもしれないが、顧客には関係のないことだ」と思われるかもしれません。しかし、私はこう思います。

まず、企業文化はその姿を社外に投影するものです。会社が従業員である彼もしくは彼女を大事にしていなければ、どうして従業員に顧客を大事にしてもらうことを期待できるでしょうか?私は、幸せな従業員がいる企業こそが、長期的に顧客を満足させる製品を作ることができると強く信じています。一方で、技術的な面でも理由があります。何百万行ものコードを持つARCHICAD(または他のBIMソフトウェア)のような複雑なソフトウェアを開発する場合、ソフトウェアのその部分のコードを書いた人が会社を去ると、どのように注意深く文書化しているかに関わらず、その他の人たちはその部分に触れるのを嫌います。そうすると、それは簡単に(バグを引き起こす)何かしらの混乱につながります。これが古参の開発者の役割が非常に重要である理由です。過去と未来をつなぐ役割であり、完璧さを求められる今後の機能開発の可能性の象徴なのです。このような従業員がたくさんいるという事実は、ソフトウェア業界でしばしば発生する、とても苦しい「新鮮なスタート(機能の喪失および互換性のないデータを伴うものです)」を回避し、継続してソフトウェアのあらゆる部分を改善していくことを可能にします。ますます価値のあるBIMデータが作成されるにつれて、このような継続性が重要になってきています。ソフトウェアのコードが複雑になってきたという理由でコードをリセットすることにより、そのソフトウェアで作成されたBIMデータが10年後に使えなくなってしまうことを、お客様は望まないでしょう。私たちGRAPHISOFTは創業から30年以上が経ちました。今後も多くの「羽根」を手渡していけることを期待しています。

グラフィソフトジャパンにおいては、いろんな出来事があったこの一年を成功裏に終えようとしています。同僚、パートナーの皆様、そして大切なお客様に感謝いたします。弊社、そして弊社製品、技術を信頼いただき、今年もエキサイティングな分野で働くことができました。

メリークリスマス、そして幸せな新年をお祈りします!

よいお年を!

2016年12月26日月曜日

私のこの秋のニュース、トップ3

しばらくブログの更新が滞っていましたが…、これは注目すべきことがなかったからではありません。むしろ、ご報告が追い付かないほど、いろいろなことがありました。年末になり、ランキングが発表される季節になりました。Man of the Year、Best of 2016など…。ですので私もこの秋に起こったことから、お気に入りのニュースを3つご紹介したいと思います。

1.シンガポールでのブレークスルー


これまで数回述べていますが、アジアにおいてARCHICADの普及を拡大するためには、シンガポールで強い存在感を示すことが大切だと思っています。シンガポールはASEAN諸国の「経済的な首都」だからです。2012年にオフィスを開設してから、強いチームづくりと、弊社製品をご愛顧いただけるお客様の数の増加に努めてきました。しかしいつも苦しい戦いを強いられてきており、「来るのが少し遅かったかな」と感じていました。シンガポールでは私たちは「標準の」BIMソフトウェアとして認識されていなかったからです。しかし状況は変わりました。BCA(Building & Construction Authority:シンガポールにおける国土交通省のような組織)が、ARCHICADの.plnファイルフォーマット(ならびにBIMx、「軽い」BIMデータ成果物と言われています)を建築確認申請の提出物として認可しました。シンガポールでは5,000㎡を超える建築物はBIMデータによる申請が必須となっています。これは私たちにとって、大きな一歩となりました。建築家はソフトウェアの選択肢が増え、彼ら自身のメリットのためにBIMアプリケーションを選ぶことができるようになったのです。これは私たちの活動を大きく後押ししてくれます!

ニュースリリース(英語)

2.Google Cardboard


私のことをご存知の方であれば、私がBIMxの大ファンだということもご存知かと思います。これは2011年、原点となるコンセプトが日本で考案されたことで「わが子」のような気持ちがあるのと同時に、この技術に大きな可能性を感じているからです。今年は、継続して提供している改善に加えて、2つの大きな変化がありました。1つ目は、無料版で2Dの機能が利用可能になったことです。BIMxの素晴らしい点は、3Dをきれいに速く見られることだけではありません(他のアプリでもこれは可能ですね)。2Dと3Dを組み合わせて利用できることや、プロパティ情報、ハイパーリンクなどの機能が、BIMxのデータがコンパクトなBIMデータといわれる理由です。現在、この機能は無料版(PRO版よりも多くの方にご利用いただいています)でもご利用になれます。これは簡単に使える、コンパクトなBIMビューワーがどなたでもご使用になれるということです!
2つ目は最近のことです。数週間前、 私たちはBIMxでのGoogle Cardboard機能の実装を発表しました。これによりVRでのウォークスルーが可能になり、これまで100万円以上したようなハードウェア/ソフトウェアシステムでしか体験できなかったことが、安価(1,500円ほど)に利用できるようになったのです。この2つの機能で、専門家以外の人にとってもBIMが身近に利用できる素晴らしいものとなりました。

ニュースリリース

3.会社紹介ビデオ


さて、これは楽しいことです。でも年末ですし、楽しい方がいいですよね?今年の初めに、GRAPHISOFT Italyは、彼らのオフィスやスタッフ、企業理念などを紹介する素敵な「イメージビデオ」を公開しました。こちらがそのビデオです。

GRAPHISOFT Italy 会社紹介ビデオ

これを、私たちも作ることはできないかと考え、本社で働く日本人、現在映像の学校で学んでいるHana Yamazakiに日本へ来てもらい、撮影を行いました。イタリア事務所のように美しいらせん階段はありませんが、私たちが持っているBIM、GRAPHISOFT、そして日本のお客様への使命を表現するためにベストを尽くしました。お気に召していただければ幸いです。お楽しみください!

グラフィソフトジャパン 会社紹介ビデオ

最後に、大きな成功の年となった2016年、グラフィソフトジャパンを信頼していただき、弊社製品をご愛顧いただいたお客様とパートナー様にお礼を申し上げます。2017年も、最高のBIM製品やサービスをご提供できるよう最善の努力を続けてまいります。

よいお年を! Happy New Year! Boldog Új Esztendőt!







2016年8月22日月曜日

ARCHICAD 20 - ソフトよりも大切なもの

いよいよARCHICAD 20のリリースです。皆さんは私が、その内容がいかに素晴らしいかを書くものと思われているのではないでしょうか。もちろん、バージョン20は非常に良いアップグレードとなりました。ここ数年で一番良いと言っても過言ではないでしょう。ただ、今回は違う話を書きます。それは、いかにARCHICADが優れていても(これから更に進化していくにしても)、ソフトそのものだけでは使う人の仕事のやり方を変えるまでには至らない、それには他に重要なファクターが存在する…と言うことです。

先日シンガポールに行った時、私は他のBIMソフトからARCHICADに乗り換えようとしている大手のデザイン事務所に対してのプレゼンテーションに参加していました。幹部の一人(実はトップの方でした)は、ほぼずっと静かに座っていらしたのですが、最後に一つ興味深い発言をされました。「我々が●●●からARCHICADに乗り換えようとしている最大の理由は、GRAPHISOFTから受けられる上質なサポートにあるのです。」機能、性能、操作性、連携など私たちが普段アピールしている点には全く触れず、サポートのこと「だけ」を話したのです。

その時から私は「一体GRAPHISOFTのビジネスとは何なのだろう?」と考え続けています。私たちは何を売っているのか? すぐに「BIMソフトウェア」と言う答えは出るものの、それだけではない…実は私たちは「新しい仕事のやり方」を提供しているのではないか、そしてARCHICADはその新しいワークフローの一部に過ぎないのではないか、との思いが段々と強くなってきました。もちろん、ソフトそのものは関係ないと言っている訳ではありません。優れた性能と操作性を持ったOPEN BIMソフトであることは必須条件であり、その部分はブダペスト本社で働く我々の同僚が担ってくれています。大事なのは、ARCHICADをベースにした新しいワークフローを用いることによって、顧客の仕事を効率化し業績を上げることが出来るのかと言うことです。そうでなければARCHICADは「豪華な夕食のために山海の珍味を集めたのですが、レシピがないので調理できません。それでは!」そんな風に例えられてしまうかもしれません。

マニュアルを読めばモデリングツールの使い方やレイヤーセットの作り方、IFCファイルの保存方法などはすぐに理解できます。でも、それだけでは十分ではないのです。そもそも何をモデリングする(しない)べきなのか、どんな種類のレイヤーセットを作るべきか、どのように確認申請の図面を作成するのか、ARCHICADと普段使っているMEPアプリをIFCでどのように接続するのか、なども知っておかなければなりません。このような高度な知識(いわゆる「ノウハウ」)が前述の「調理のためのレシピ」となって、本当の意味でARCHICADのパワーを活用することが可能になり、ひいては仕事のやり方までを変えていきます。

しかしながら、もし私たちがこの「ノウハウ」をユーザーが作ってくれる物だと期待していたら、ベンダーとしてきちんと仕事をしているとはいえないでしょう。これが、グラフィソフトジャパンで最大の部署は営業ではなくBIMインプリメンテーショングループ (BIMi) であると言う理由です。BIMiの社員は、ソフトウェアそのものに勝るとも劣らないほど重要なこの「ノウハウ」を培い、継続的に進化させていく業務を担当しています。具体的には、ユーザー自身でARCHICADが使えるようになるよう手取り足取り教える「JUMP!」トレーニングや、「How to use ARCHICAD」ブログ、GRAPHISOFTヘルプセンター、そしてもちろん莫大な時間のユーザーサポートなどで実現しています。 また、GRAPHISOFT Registered Consultants (GRC) の方々が本を書いたりトレーニングを開催したりすることによって、効率化の解決策を模索しているユーザーの手助けをしていることも忘れてはなりません。

ソフトウェアとノウハウ、両方の要素が揃わない限り、将来性はあるが違和感のある良く知らない物のために、以前から使い慣れた2Dワークフローを捨てることは出来ないと思います。ノウハウを年々積み重ねていくことは、ソフトを改良していくことそのものより、とても重要なことです。私たちグラフィソフトジャパンでは、新しいテクノロジーには飛びつかず世の中の主流になってから取り込むタイプの方々にもARCHICAD 20でBIMをスムーズに導入していただけるよう、さまざまな取り組みをしてきました。ARCHICAD 20は年齢が20歳になっただけではなく、内容とノウハウでも成熟期を迎えました。―いよいよ「成人」になる準備が出来た訳です!