2017年12月19日火曜日

羽根を集める

世の中には、切手を収集する人や、ビンテージバイク、有名ブランドの時計をコレクションする人がいます。 GRAPHISOFTでは「羽根」を集めます。



初めての「羽根」は勤続10年が経った時にもらえます。その次は15年。5年ごとに1つもらえます。「羽根」の受賞式は、近年クリスマスパーティで行われるようになりました。ここ数年でブダペストのチームだけではなく、世界各国のGRAPHISOFTオフィスの対象者が招待されることが慣習となりました。もちろん渡航費用は会社負担です。つまり、時間が経てばすべての従業員は5年ごとに本社を訪れるチャンスがあるということです。

今年は3名のグラフィソフトジャパンメンバー(に加えて年間「MVP」を受賞したメンバーも)がクリスマスパーティに参加したことを非常に誇りに思います!すべてのGRAPHISOFTグループ会社(ハンガリー本社を除く)でもトップの参加者数でした!

今回のパーティは空想的で非現実的な雰囲気でした。最近は毎年「テーマ」があり、今年のテーマは「不思議の国のアリス」でした。パーティはブダペストで人気の大規模なイベントスペース「Millenáris」で開催されました。今回はパーティのために会場名を「GRAPHISOFT Wonderland」に改称されて、装飾されていました。
会場はいくつかのエリアに分かれており、「赤の女王の城」や、「白の女王の大広間」、「マッドハッターのお茶会」、さらに「白うさぎのコンサートホール(ちなみにここは後にカラオケ会場になりました)」。会場の中央では巨大なチェステーブルがステージになっていました。参加者は400名以上!テーマに合うように「黒、白、赤」でドレスアップすることになっていました。皆本当に華やかでした!








パーティーの合間でCEOのViktor Varkonyiと、創業者であり現在チェアマンでもあるGabor Bojarがマイクを持って、「羽根」を一人一人に手渡しました。今年は30名以上の受賞者がいましたのでしばらく時間がかかりましたが、すべての人が称賛の言葉をかけられ、私たちのリーダーと握手や記念撮影をしました。勤続10年の方が一番多いかなと思われていましたが、実際には15年、20年、さらには25年の方もいました!そして最後に、Gabor Bojarがステージから降りた後、彼の名前が呼ばれました。確かに、彼は35年前にGRAPHISOFTに「入社」しました(創業した時です)ので、「羽根」を受け取る権利があります。ですよね?

グラフィソフトジャパンの新川(陳)は勤続20年で表彰されました

ところで、なぜ「羽根」なのでしょうか?「羽根」(元々は虹色でした)は、GRAPHISOFTの最初のロゴでした。1980年代のころです。それは当時のAppleのロゴを参考にしている一方で、「羽根」は技能や作図を象徴していました(私たちがまだBIMの哲学に完全に取り組む前です)。その後、ロゴとしての「羽根」はなくなりましたが、今も大切な従業員に敬意を表する形として残っています。


もしかすると、「これは素晴らしい慣習であるかもしれないが、顧客には関係のないことだ」と思われるかもしれません。しかし、私はこう思います。

まず、企業文化はその姿を社外に投影するものです。会社が従業員である彼もしくは彼女を大事にしていなければ、どうして従業員に顧客を大事にしてもらうことを期待できるでしょうか?私は、幸せな従業員がいる企業こそが、長期的に顧客を満足させる製品を作ることができると強く信じています。一方で、技術的な面でも理由があります。何百万行ものコードを持つARCHICAD(または他のBIMソフトウェア)のような複雑なソフトウェアを開発する場合、ソフトウェアのその部分のコードを書いた人が会社を去ると、どのように注意深く文書化しているかに関わらず、その他の人たちはその部分に触れるのを嫌います。そうすると、それは簡単に(バグを引き起こす)何かしらの混乱につながります。これが古参の開発者の役割が非常に重要である理由です。過去と未来をつなぐ役割であり、完璧さを求められる今後の機能開発の可能性の象徴なのです。このような従業員がたくさんいるという事実は、ソフトウェア業界でしばしば発生する、とても苦しい「新鮮なスタート(機能の喪失および互換性のないデータを伴うものです)」を回避し、継続してソフトウェアのあらゆる部分を改善していくことを可能にします。ますます価値のあるBIMデータが作成されるにつれて、このような継続性が重要になってきています。ソフトウェアのコードが複雑になってきたという理由でコードをリセットすることにより、そのソフトウェアで作成されたBIMデータが10年後に使えなくなってしまうことを、お客様は望まないでしょう。私たちGRAPHISOFTは創業から30年以上が経ちました。今後も多くの「羽根」を手渡していけることを期待しています。

グラフィソフトジャパンにおいては、いろんな出来事があったこの一年を成功裏に終えようとしています。同僚、パートナーの皆様、そして大切なお客様に感謝いたします。弊社、そして弊社製品、技術を信頼いただき、今年もエキサイティングな分野で働くことができました。

メリークリスマス、そして幸せな新年をお祈りします!

よいお年を!