2014年12月24日水曜日

クリスマス ポスト

今年も残すところあとわずかとなりました。私たちは2014年どのようなことを達成できたでしょうか。振り返ってみましょう。
                                                        
まずは私の個人的なことから始めたいと思います。アジア担当副社長に就任し、より幅広い責任を担うことになりました。仕事はより刺激的になり、同時に新しい悩みも増え、そしてもちろん仕事量は増えました。全体的に見て、非常にやりがいのある経験でしたが、1つ残念な副作用がありました。それはこのブログを更新するための時間がなかなか取れなかったことです。とても後悔しています。来年はもっと頑張ります…。もう一つ、非常にわかりやすいこととして、今年は出張がとても多かったです。本当に多かったのです…。ざっと計算してみたら、今年私は赤道の5.5倍の距離を飛行していたことがわかりました。これは丸々10日間飛行機で過ごしていたのと同じ時間です。あまりに多すぎますね…。

グラフィソフトジャパンとしては、2014年は本当に素晴らしい年でした。まだ営業部門は最後の注文の取りまとめで慌ただしいところですが、私たちは目標を達成し、さらに予測を大きく上回ることができたと言ってもいいと思います。(ちなみに予測も決して低いものではなかったのです!)このために協力してくれた同僚、パートナーの皆さんに心から「ありがとう」と言わなければなりません。そして私たちにとって、もっとも大切な「信頼」を寄せてくださったお客様に感謝いたします。

また、今年はBIMcloudによって、GRAPHISOFTが一つの製品を扱う会社から、真のBIMプラットフォームを提供する成熟した会社になったことを忘れてはなりません。完成までに少し時間はかかりましたが、BIMcloudは新しいレベルの接続性、比類のないセキュリティと、BIMモデルを必要とする人すべてに使いやすい操作性を提供します。

GRAPHISOFTアジアも非常に良い年でした。特にシンガポールが昨年比2.5倍以上の成長と、優れた成績を残しました。これは非常に重要なことです。シンガポールは“東南アジアの経済的中心”のようなもので、すべての国がここで何が起きているのかを注目しているからです。もしArchiCADがシンガポールで成功できれば、どこでだって成功することができるということです!成長したのは売上やユーザー数だけではありません。シンガポール国立大学(シンガポールでもっとも権威のある大学です)が、彼らのBIMカリキュラムの中心にArchiCADの採用を決定したことは重要な出来事でした。これは、ArchiCADのスキルを備えた学生がまもなく社会に出てくることを意味します。私たちが成功するために、これ以上に大きな保証があるでしょうか…?

多くの日本企業がベトナムへのアウトソーシングを行っている、もしくは企画していますので、ベトナムにおいても、ArchiCADの認知度が高まることは日本のお客様の安心につながると思います。鹿島建設様にご協力いただき、国内トップの建築大学である、ホーチミン市建築大学での学生コンペティションを実施し、非常に大きな成功をおさめることができました。最も優秀だった学生は日本への研修旅行にも招待され、関係者全員が来年もぜひ企画したいと考えています。

さらに、私は今年何かが大きく変わったと感じています。潮流が変わったようです。まるで秘密のスイッチが押されたように日本の建築家の考え方が、「BIMはまだまだ」から「BIMを始めよう!」に変わったのです。建築家に対してBIMへの移行をお勧めすることもより容易になりました。これはオリンピックの影響か、経済の見通しが明るくなってきたからか、もしくは私たちのテクノロジーが成熟してきたと感じていただいてるためかもしれません。あるいはその全てでしょう。いずれにしても、日本がギアを切り替えて、より速いペースでBIMテクノロジーを採用し始めていることは素晴らしいことです。

来年に関しては、BIMのユーザー、GRAPHISOFTともに拡大し続けていくことを確信する十分な理由があり、そのためにスタッフの増員計画、また大阪オフィスの拡大を準備しています。期待はより高くなりますが、一年前、私たちは今年の目標を達成することは不可能だと思っていたのです。「一念岩をも通す」というように、意思があれば不可能なことはありません。私たちは成し遂げます…!

このようなことを考えつつ、皆さんのメリークリスマスとハッピーニューイヤーをお祈りしたいと思います!


2014年12月4日木曜日

BIMの民主化

私たち建築家や建設産業の専門家は、BIMと言うとつい私たちだけのものと考えがちです。
BIMが持つ膨大で複雑なデータを管理、作成するのも私たちだけができると思ってしまいます。これは現時点では確かにそうなのかもしれません。何かをコントロールする時には、それに関する深い理解力と、自らがとる行動がどのような結果になるかを完全に把握しておく必要があります。

一方で、BIMデータの恩恵を受けられる人々というのは広範囲におよびます。建設作業者、施設管理者、ビルのオーナーなど…。彼らに対して私たちは可視化や整合性のとれた図面、精度の高い計算結果などを提供しています。2Dでの方法に比べると、BIMで出力した図面はより正確かつ最新に保たれますが、それだけではBIMを十分に活用しているとは言えません。私たちGRAPHISOFTBIMデータそのものを活用していただけると信じています。これはお客様にとって非常に大きなメリットがあることです。

想像してみてください。もし施設管理者がタブレットにBIMデータを持っていれば、GPS座標を使用して壁の向こうにあるパイプや機械を見つけることができます。また、建設作業者が現場の写真を撮ってBIMデータと合わせることで作業の正確さを確認することができます。
ではこれはどうでしょう。建物のオーナーが2D3Dのデータでオフィスビルのセキュリティシステムを管理することができれば、建物の隅が見過ごされることも、誰かが中に残ることもありません(ええ、ハリウッドでは既に実現していることですが、現実ではまだですよね)。さらに想像力を膨らませてみましょう。買い物をするためショッピングセンターへ入ると、シンプルな3Dと間取り図のデータをダウンロードすることができます。これでさまざまな店舗が立ち並ぶ迷宮を、正確かつ最新の情報をもとに進むことができ、駐車スペースから欲しい商品まで、簡単に見つけることができます。私はこれを本当の革命と呼びたいと思います。BIMの民主化とも言えるでしょう。一部のエリート専門家のみが使用していたデータが、すべての人に利益をもたらすものになるのです。

施工現場におけるiPadの利用(大林組様事例より)

もちろん、BIMデータはよりリッチで複雑なものになってきているので、その活用のためにすべての人にArchiCADのように専門的なオーサリングツールを学んでもらうというのは現実的ではありません。しかし実際には学んでもらう必要はないのです。なぜなら彼らが興味があるのは特定の部分のみで、BIMデータ全体ではありません。しかも、そのために学んだり投資をしたりせず、迅速かつシームレスに管理したいことでしょう。

私たちにとって、これがBIMx Docshttp://www.graphisoft.co.jp/bimx/)を開発する動機になりました。1年前のリリース以降、建築家はもちろんのこと、専門家ではない方々からも人気を得ています。"BIMの民主化"において、BIMx Docsはまだはじめの一歩の段階ですが、重要な突破口となりました。コンパクトで軽く、3Dにハイパーリンクされた2Dデータが、持ち運び可能なデバイスで簡単に利用できます。先日、竹中工務店様(http://www.takenaka.co.jp/)が、大林組様(http://www.obayashi.co.jp/)に続き、スーパーゼネコンとしては2番目にBIMx Docsを導入されました。他社様も続かれることを確信しています。

BIMデータアクセスは当社にとって、第3の重要な製品ラインになってきています

当然のことながら、私たちが思い描く明るい未来には、まだまだ長い道のりが続きますが、
GRAPHISOFTは今後もBIMの民主化を推し進めながら開発を続け、より多くの皆さんに最適化されたBIMデータへのアクセスを提供していくことを決意しています。



なぜなら民主化は良いことだからです。

2014年9月25日木曜日

ArchiCAD 18 is here!




ついにArchiCAD 18が届きました! いくらか遅延があったものの、ArchiCADのパッケージを受け取ることができました(エミレーツ航空の仕事ぶりには少しがっかりです…)。 

スクールの前にあるディスプレイをすぐさま入れ替えて、 AC18を一番先頭にしました。ということで、 本日、私たちはArchiCADの新年を迎えました。 あけましておめでとうございます! 

今月末までにVIPサービスのお客様の机にArchiCADをお届けする約束を守るため、 急いで出荷をすすめています。 出荷チームの靭さん、田代さん、関原さんに皆注目しています。 頑張ってください!

2014年8月20日水曜日

30歳、おめでとう!

30歳は、人生で最高の時期でしょう。若さにあふれていて(中にはもう若くないと感じている人もいるかもしれませんが)、豊富な人生経験があり、自分の仕事にも自信を持ち始める時期です。すでにフルタイムで仕事をしているでしょうから、会社や家庭に利益をもたらす一方で、これからも新しいことを学び、スキルを磨いていかなくてはなりません。

ArchiCADは今年30歳になりました。 誕生日パーティーの時にはフォトアルバムを見るのがおすすめです。さっそく見てみましょう!

古い写真を見ると、幼い時からすでにその人の特徴が現れています。ソフトウェアだって同じです。ArchiCAD 1.0を起動すれば、現在の成長したBIM製品がもつすべての要素が、当時すでに備わっていたことがわかります。 2D、3Dの整合性があり、数量一覧表まであります。もちろんシンプルで基礎的なものですが。まるで赤ん坊のようですね…。


さて、ArchiCAD 5.0を見てみましょう(当時ArchiCADは13歳でした)。日本のお客様の要望を考慮して作られた初めてのバージョンです。思春期の少年のように、その気になれば重要な仕事に取り組む能力もありました。彼はこの時あることを達成しました。柱ツールの実装です。社会に完全に認められたと感じたことでしょう。落ち着きなさい若者よ、まだまだたくさん学ぶことがある…!


22歳の時には、人が成人するのと似たようなことがありました。バージョン10の時、レイアウトがモデリングと統一されたのです。(PlotMakerを覚えている人はいるでしょうか?)これでArchiCADは今私たちが知っているかたちになりました。あれは本当に卒業式のようでした…。個人的に、当時プロダクトマネジメント担当副社長として、このバージョンの誕生に貢献できたことをとても誇りに思っています。


社会人になってから最初の、本当に大きな成果があったのは25歳の時でした。ArchiCAD 13でチームワーク2.0とBIMサーバーが実装されたのです。現在のArchiCADについて最も知られているものでしょう。これは、私が日本に戻ってきた年だったので、特に思い入れがあります。


17という数字は私にとってラッキーナンバーだと思っているのですが、ArchiCAD 17は期待どおりでした…。私たちが“これまでで最も日本的なArchiCAD”と呼んでいた通り、期待を裏切らないものでした。私の信念である、「もし素晴らしい売上実績を達成したければ、まず素晴らしい製品からはじめる」ことを確信しました。私たちはArchiCAD17が建築のドキュメンテーション作成方法に、新しいワークフローを提供することを望んでいましたが、結果としてメッセージは積極的に伝わったようです。今年私たちは前例のない活況を経験しています。新規のお客様にはBIMを始めていただき、既にArchiCADをお使いのお客様には、より多く活用の機会を広げていただいています。


今30歳になり、バージョンは18になりました。次は何でしょう?あなたが30歳の時、きっとこう思ったでしょう。創意工夫を凝らした一手を打ったとして、一夜で世界が変わることなどありえない、と。代わりに勤勉に働くことの大切さを知ったはずです。同様に、今後の開発において気に留めておくことがあります。世界中の何十万もの建築家が、日々の業務で私たちの製品を信頼して使用していること、そして私たちが製品に対して行うすべての変更が、彼らがこれまで作成したデータ、これから作成するデータにどのように影響するかを熟慮しなくてはならないということです。

私たちの究極の目標はArchiCADを目に見えないものにすることです…。建築家とデザインの間に立つものではなく、素晴らしいクリエイティブな経験を、中断することなく楽しむために自由に使えるものにしたいのです。そのための道を、ArchiCAD 18 はまた1歩踏み出し、よりよいプレゼンテーション、よりコントロールされたドキュメンテーションのための新しいツールを提供します。一方でデザイン業務はより双方向的、効率的になります。

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もっとお知りになりたければ(ArchiCADが1歳の時どんな見た目だったかも含めて)、ぜひ新製品発表会へお越しください。9月2日(火)に東京会場、9月5日(金)に大阪会場で開催します。

新製品発表会の詳細はこちら http://www.graphisoft.co.jp/event/bim_seminar/2014/archicad18_conference.html