このところBIM熱が高まっていますが、ほとんどのBIMユーザーが大手事務所であり、真っ先に上げられるのは大手ゼネコンです。Build Live Tokyoの上位者はゼネコンだけでしたが、もちろん各チームの参加人数を考えれば当然とも言えます。全ての設計行程を請け負うゼネコンがBIMからの利益を最も得ることができるとはいえ、BIMは本当にゼネコンのためだけのツールなのでしょうか?
実際には、設計全体を請け負わない事務所にもBIMは大きな利益をもたらすはずです。結局のところ建築家は整合性のとれた設計図書の作成が求められ、できなければ次の仕事の依頼はこないでしょう。「ビルディングモデル」が建築家の頭の中だけで存在するなら、設計図書の整合性はとれません。セントラルビルディングモデルを利用して設計図書を作成する方が簡単なことは間違いありません。3Dデータ作成が手間のかかる仕事だったとしても、その結果は確かに努力に値するのです。ではどうして中小規模の設計事務所はBIMの導入に遅れをとっているのでしょうか。
一つの理由は、まだ最新の情報が伝わっていないということです。もし伝わっていたとしても、誤った情報が伝わっているかもしれません。実際「別の3DモデルでもBIMと同じことができる」という意見をしばしば耳にしますが、多くの建築家はまだプレゼン用モデルとBIMモデルの違いを理解していないことが分かります。結局のところ、設計図書がビルディングモデルと連動していなければ整合性を図る事はできないのです。
また一方で多くの建築家はBIMのコンセプトを理解していながら、それでも2Dを使っています。この場合、考えられる理由は価格です。BIMソフトは安くありませんし、ArchiCADも例外ではありません。高価であるのは、高度な機能を開発するための膨大な労働(弊社の場合20年以上)が反映されているからです。とはいえ、弊社は大企業との大きな取引だけで満足するつもりはありません。中小企業も整合性のとれた設計図書とビルディングモデルの利益の恩恵を受けられるべきだと確信しています。
現時点のこの問題は必ず解決します。それが来年の日本での私たちのゴールだからです。
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