2010年7月28日水曜日

哺乳類の時代

Aさん(年齢:50歳)BIMについて話していた時、残念なことに彼は好ましい意見は持っていませんでした。「以前3D CADを試しましたが、その結論として3D CADはあまり役に立ちません」というものでした。この消極的な態度はどこから来るのでしょうか?Aさんの態度は日本の建設業界では典型的だと言えます。そして、これに答えるには、日本のCAD開発の不思議な時代に戻らなければなりません、「3D恐竜の時代」にです。

80年代後期から90年代初期の建設業界の雰囲気は「3D CAD」で満ちていました。新しくコンピューターを所有する人も多く、たくさんの3D建築CADシステム」が販売されているのを見て本当にびっくりしました。私は当時学生で、その後も若手設計者として、3D CADの値段について問い合わせたところ、高価な自動車と同等の価格で販売されていることを聞いて、諦めてしまいました。いずれにせよ、私のMac上では起動しませんでしたが。

その後、94年にグラフィソフトジャパンで働くようになり、身近に3Dシステムのいくつかの製品を見る機会がありました。最初に見たときはどれも印象的で、全てが自動で、クリックすると部屋が完成し、もう一度クリックすると全ての壁が立ち上がります!3回目のクリックでは屋根が完成し、全ての梁と垂木が正しい位置に配置されています!確かにとても納得できるものでした。ただし、「この屋根構造を少し変えることはできますか?」というような質問をすると、大体答えは「いいえ」でした。驚くことではありませんが、融通の利かない直線的な設計プロセスを前提にすればこのような操作性も簡単に実現できますが、高度な自動化は極端に自由度のないものになり、デザインの自由度は非常に制限され、ささいな変更の可能性もなくなります。これは恐竜に似ているので、私はこのようなシステムを「恐竜CAD」と呼んでいます。大きくて、動きが遅く、変化に対応できないという意味です。もちろん絶滅してしまうわけです。

しかし、初期のIT活性期やお金が溢れていたバブル時代には、この欠点の大部分が気づかれず、多くの設計事務所や工務店はCADシステムに投資し、全体としてしばらくはこのようなシステムは非常によく売れていました。ただし、金銭的な成功は顧客満足度を保証するのもではなく、CADシステムが実際に使用され始めると、制限がすぐに明らかになり、約束された改善が実現することはありませんでした。そこでAさんのような人は何も残らずがっかりし、その後どんな「3D建築設計システム」を見せられても、とても懐疑的になってしまったのです。すでに恐竜CADはほとんど絶滅しているのに、その影がまだ日本のBIMの普及に関して大きな障害となっています。

しかし、Aさんをなんとか説得して最近の「3D CADシステム」を見せたところ、純粋に驚いていました。すでに設計の最終段階においても部屋の高さや壁の厚みなど基本的な事を変更できる事に目を疑っていました。「私が知っている3D CADとは確かに違う」と彼は言い、その後はArchiCADで自分のBIMスキルを熱心に向上しています(ちなみに以前の「恐竜CAD」に比べてはるかに安価です)。しかし、日本には、まだたくさんの「Aさん」がいて、恐竜の存在をまだ信じています。私たちは彼らの目の前で教える必要があります。今は「哺乳類の時代」である事を・・

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*面白い点は、この現象は日本でのみ起きたことです同じようなアプリケーションは他では見たことがありません

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