2009年8月11日火曜日

最善な「もの」を利用した仕事

ブダペストに住んでいた頃、我が家で何か修理が必要だった際に、「蛇口の修理も、屋根修理も、庭の手入れもなんでもできる」などと、あたかも家の全てのことを知っているかのように自慢げに話をする職人気質の人を、あまりいい職人とは思いませんでした。このような気質の人は、たいていの場合、途中で「このくらいで十分だろう。」と満足してしまいます。本来であれば、「このくらいで十分」と言うことではなく、「できた」または、「できていない」の判断をするべきなのです。 この結果、自分たちの専門分野外である仕事を頼まれた場合、それを丁重に断り、本当にそれについて知識のある専門家を紹介する職人の方が、よっぽど頼りになる真の職人だと気づきました。

ソフトウェアに関しても私は同じように感じています。よくお客様から構造または設備系アプリケーションのソリューションがあるのか質問されます。こんな時、「私どものBIMモデルで使える構造/設備系ソフトをお試しください。」と答えるのが一番簡単であり、聞こえが良く、またお客様も難しいことを考えずに購入することができます。このようなサービスは数年前に流行しましたが、古くからエンジニアリングソリューションにフォーカスしてきた人たちに決して良いことではありません。その上、設計者が使い慣れているソフトウェアを、新しくこの分野へ進出してきたソフトウェアへ強制的に変えさせる理由はありません。これらを理解した上でグラフィソフトでは、我々が一番良く理解している「建築デザイン」の分野に専念することを決断し、 BIM環境の中で、設計者とエンジニアがお互いにシームレスに連携することを可能にさせる最良な作業として、強力なデータ連携による設計業務のためのワークフローを提供することに力を入れてきました。



例えばTEKLAの場合ですが、彼らは構造のモデルや詳細設計ソフトウェアを40年以上開発しており、明らかにこの分野において世界一と言って過言ではないでしょう。 私たちはお客様に取って一番良いアプリケーションをどの分野においても提供できるよう、またそれらがBIMの領域でIFCまたは他の方法でシームレスに連携できるよう努力してきました。その結果、日本を含む全世界でTEKLAと協業することに至りました。これに関してお客様からは非常にポジティブな反響をいただいております。

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