2012年1月30日月曜日

BIMの3本柱

時々BIMについて、特にBIMのメリットについて1分以内で簡単に話さなければならないという機会があります。この長さはアメリカのビジネスシーンで「エレベーターピッチ」と表現されます。エレベーターに乗るだけの時間枠で何か話をするということです。 

私の「エレベーターピッチ」では、短いケースでも必ずBIMモデルについて3つのメリットを話します。それはビジュアルコミュニケーション、ドキュメント調整、そして積算です。これを「BIMの三本柱」と呼ぶことにしています。もちろんBIMにはその他にも様々な重要な側面がありますので、不公平であることを認めざるを得ませんが、エレベーターに乗っている時間は非常に限られています。

ビジュアルコミュニケーションは「プレゼンテーション」とされることが多いのですが、これはそれ以上のものです。設計の合意形成を加速させ、設計プロセス、さらには施行段階に起こりうる様々な行き違いを未然に防ぐことが可能になります。ドキュメントの調整は設計変更や現場での調整にかかる多大なコストの削減が可能になります。正確な積算およびプロジェクトのコストコントロールは発注者が夢に見てきたものです。

私たちグラフィソフトおよび他のBIMベンダーも同様に、1番目のビジュアルコミュニケーションについては非常に長けています。2番目のドキュメント調整は徐々に改善されています。しかし、3つ目の積算についてはまだまだ弱い分野だと思います。一番難しい課題でもあります。積算をするためには非常に正確なBIMモデルを作成する必要があり、これには大変な労力を要します。さらには、国ごとにルールが大きく異なるため、世界中で展開しているBIMシステムに組み込むことは難しいのです。この解決策として、OPEN BIMのコンセプトが存在します。グローバルに展開しているBIMアプリケーションと各国の積算ソフトが連携するということです。

こういった理由から、昨年秋に日積サーベイ様からヘリオスという積算ソフトとArchiCADのデータ連携ついて、多くのArchiCADユーザーの方々からの要望を受け、開発の話を聞いたときは非常に嬉しく思いました。同社は積算の分野において40年以上もの実績を持ち、この連携によって日本の標準に沿った積算が可能となり、また同時に積算ソフトでモデルを作成するという最も労力のかかるプロセスをArchiCADから提供することができます。さらに重要なポイントは、BIMのデータを使用した数量計算は設計変更が発生する度に積算情報も最新のものに更新されていくということです。これは、設計者および発注者が設計が確定するまで数量計算を待つ必要がないことを意味し、初期段階でも迅速なコストのフィードバックを得ることができます。そして、コスト分析が間違った方向に進んでいる場合に、その段階で設計を変更することが可能になります。



"3本あれば、対象物は安定する"と物理のクラスで学びました。先週の日積サーベイ様とのプレスリリースは、BIMデータを使用した本格的なコストコントロールの提供とBIMのさらなる成熟を表しました。

ArchiCAD - ヘリオスの連携およびグラフィソフトジャパンと日積サーベイのプレスリリースについての詳細はこちら

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