しかし、BIMガイドラインについて多くの方々から同じ質問を頂きました。それは、「なぜドア、窓、カーテンウォール等のBIMオブジェクトがテンプレートに入っていないのか」ということでした。1つの回答は非常に単純なものです。ArchiCADは1,300以上のパラメトリックオブジェクトがデフォルトで用意されており、また、VIPservice会員用には、ダウンロードが可能な多くのオブジェクトを提供しております。しかし、もっと根本的な、いくつかあるBIMソフトとの成り立ちの違いを説明する必要があります。それは、いくつかのBIMソフトは元々機械製品の設計向けに開発されたものであり、ArchiCADは建築設計用にゼロから開発されたものだからです。この重要性を理解し、機械と建築この2つの異なる設計プロセスを考える必要があります。


BIMソフトが機械設計に起因している場合、「ボトムアップ」プロセスを促進する傾向があることは当然だと思います。この場合、設計作業を開始するときは事前に部品が整理され、並べられているということが必須となります。ただし、問題は、この時点で設計者はどの部品を使うべきなのか、確定していないことです。もし、設計者がBIMソフトを直接使わず、オペレーターに指示する立場であれば、問題は比較的小さいかもしれません。しかし、そもそもBIMはオペレーターにではなく、設計者に使われるべきであり、これは設計者だけがコントロールできるものだと思います。
ユーザーの皆様からはよく、ArchiCADは競合するBIMソフトより簡単に使える、と仰って頂けます。(私自身、これを誇りに思っています) その理由は、作業に取り掛かる前に面倒な部品作製などのセットアップ・プロセスを強いられることなく、直接デザインの作業を楽しむことができるからであると思います。ArchiCADは、最初から建築設計プロセスが「トップダウン」であるという事実を踏まえて開発されたうえ、これが、設計者の望むものをコントロールする唯一の方法なのです。その結果、ArchiCADでは最初からテンプレートの一部として多数のBIMコンポーネントライブラリを持つ必要はなく、後から必要に応じて、自由にGDLライブラリの変更や追加、ツールでカスタムオブジェクトを作成することができます。また、レーヤー設定など、さまざまな環境設定や属性についても同様です。
ArchiCADは「建築家のために建築家によってデザインされた」製品です(以前の製品スローガンとして使われた言葉のひとつ"Designed by Architects for Architects")。 これで少し理由をおわかり頂けるとよいのですが...
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