








2月はグラフィソフトジャパンにとって変化が訪れる月のようです。昨年2月、私たちは業界初の低価格なBIMアプリケーションであるArchiCAD 13 Soloを紹介しました。そして、来月の2月にまた一つ大きなステップを踏み出します。VIPServiceに入会した全てのArchiCADユーザーの皆様にVirtual Building Explorerを提供するサービスを開始することとなりました。
一つずつ、ご説明したいと思います。私は1年半前に、日本に来た際、たくさんのユーザーの皆様にお会いし、我々のサービスや製品について様々な意見を伺って回りました。当然のことながら、様々な機能のリクエストや多くの貴重なご意見、ご指摘も頂きました。そこで、当社の強みについて伺うと、多くの方々からVBEの存在が挙がりました。具体的には、もっと広く知られるべき素晴らしい技術であり、全てのArchiCADユーザーに使われるべきであるという声を、全てのVBEユーザーの方々から頂いたのです。このことは非常に印象的であり、それから間もなくして私は、VBEのようなグラフィソフトにとってのキーテクノロジーは間違いなく自社製品として扱えるようにする必要がある、とグラフィソフトの本社で主張しました(この時点ではVBEはまだ、サードパーティの製品でした)。そして、それが達成されると(グラフィソフトはVBEの技術を2010年7月に取得しました)、次はこのVBEをどのようにユーザーの皆様に提供するかについて考え始めました。
VIPService*は、数多くの日本固有の仕様(ノウハウ)を含む、アドオンアプリケーション、ライブラリ、トレーニング資料、ホットラインサポート等を提供しています。更には、VIPサービスは一年に一度のArchiCADのアップデートよりもはるかに速く、需要にこたえることができます。当然のことながら、VIPサービスがなくては、ArchiCADを使用することは不可能な訳ではありませんが、社内で必要とされるノウハウを構築することは非常に難しく、また私たちの経験上、VIPサービスの加入者は未加入者に比べ、満足度は大きく異なります。
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* 現在、VIPServiceでは450の高度なパラメトリックオブジェクトと10のアドオンがダウンロードできます。ツールを継続的なメンテナンスに加え、昨年だけで180の新しいオブジェクトと2つのアドオンが追加されました。
** 技術的な理由により、新しいVBEの使用には、VIPサービスにリンクされている、新しいコードメータ"のドングルを使用する必要があります。したがって、以前の"ワイブキー"のドングルを使用されている方は、新しいドングルにアップデートする必要があります。
私の立場だと、こういった時期には「私たちは前進したのか」と自問せずにはいられません。確かに、前進はしました。しかし、十分に前進したかと聞かれれば、社長としての答えはNoです。決して十分とは言えません。もちろん、期待はしていましたが。実際のところ、それほど悪いわけではないのです。私たちは、過去最高のArchiCADのライセンス販売を記録しました。内訳として、新規のライセンス数の多くが、今期新たにリリースした安価なSoloバージョンとなりましたが、ライセンスの総売上は着実に成長を遂げています。喜ばしいことに、この成長は日本支社だけのものではなく、GRAPHISOFT及びArchiCADのOPEN BIMソリューションは世界中でシェアを獲得しています。
今年のハイライトとして挙げる事柄は、やはりBLTです。参加者チームが飛躍的な成長を遂げ、特に、多くのチームがArchiCADのOPEN BIMソリューションをツールの中心として使って頂いた(全20チーム中10チームが使用)ことは、大変喜ばしく光栄なことでした。(また、3大会連続で、ArchiCADを使用したチームが優勝するという結果になりました。)
そして、今年の最も重要なステップは紛れもなく、Soloバージョンをリリースしたことでした。結果として、現在のArchiCADは、もはや大手ゼネコンや組織設計事務所の為だけのBIMアプリケーションではなく、中・小規模の設計事務所での導入も急速に広まっています。
また、本社からのサポートもあり、未来への投資として、新たな活気に満ち溢れた2名の人材を採用できたことも報告します。これは日本におけるBIMの利用が急速に進み、GRAPHISOFTがその役割を担う為です。
前述の様々な事柄により、来年は今年よりさらなる飛躍を遂げることができるでしょう。とはいっても、やはり多少の不安は残っていたので、事業計画とは別に、私は酉の市を訪れ、熊手を買いました。(オフィスの壁に掛かっています)何しろ、来年はうさぎ年で、私もうさぎ年なのです。(誰も知らないでしょうが…)
この場を借りて、お客様及び、いつもお世話になっている皆様方にお礼を申し上げます。ブログの読者の皆様も、いつもありがとうございます。
Thank you and Happy New Year!
それでは良いお年を!
10月に私はグラフィソフト社が開催する日本とヨーロッパの大手ユーザーに向けた会議の為、ハンガリーに戻っていました(もう少し早く書けばよかったのですが、この時期は予算編成に加えて、このようなイベントがたくさんあり、非常に忙しかったのです)。ブダペストに到着した最初の2日間、まず、私たちは現地企業を訪問し、CEOから将来展開の話を聞き、グラフィソフトのソフトウェア開発者から直接、新技術の発表を聞き、そして、開発者とのラウンドテーブルディスカッションを開催しました。このディスカッションは、ユーザー同士、お互いに話し合う場という形にしました。参加者の皆さんも、このイベントの最も価値のある部分であったと感じているのではないでしょうか。
私にとって、このディスカッションで2つ、注目すべき結論がありました。まず、数年前まで顕著だった日本におけるBIM技術の遅れは、もはや見受けられなくなったということです。日本の参加者が使用しているソリューションはヨーロッパと比べて見劣りすることはなく、両者はお互いに多くのことを学んだのではないかと思います。しかし、これは日本での大手ゼネコンや大規模な建築事務所を例にした話であることを忘れてはいけません。小規模および中規模の企業の格差は依然として残っているように思えます。これらの企業のBIMへの意識や実運用は、米国、特にヨーロッパと比べると、大きな差が否めません。ヨーロッパの小規模な設計事務所はBIM利用が進んでおり、大手設計事務所に対しても十分競争力があり、小規模であるという欠点を意識しているため、技術力で勝っている場合さえあります。しかしながら、日本の多くの事務所はBIMを扱うことをせず、「大企業向けの話」という考えを持っているように思えます。このような考え方では、仕事を獲得する可能性(すなわち、経営継続の可能性)が競争激化する中では低くなる、ということに気付いていません。しかし、悪いことばかりではありません。私は大企業の内の少なくとも一部が、「技術」のガラパゴスから抜け出していることを嬉しく思っています。また、間違いなく多くの企業がこれに続くと思います。
ただし、ヨーロッパが明らかに先に進んでいる分野があります。私が以前主張したように、BIMの進歩は単に技術の進歩に依存しているだけなく、周辺環境である法律や商業体制を整備することが重要です。このような体制が整備されず、建設における関係者の情報交換が従来の印刷された図面の交換に限定されている限り、BIMは2D図面を作成するためだけの情報となり、その進歩が遅れてしまいます。しかし、3D BIM情報が本来の形で情報伝達に利用されるようになれば、導入が大幅に高速化されます。私はこの変更が徐々に行なわれると予想しており、初期の段階でBIMデータは従来の2D図面を補完する情報として添付され(私が「ハイブリッドBIM」と呼んでいるものです)、徐々にデータ交換の主要な役割を果たすでしょう。当然のことながら、BIMデータがこのような役割を果たすようになれば、新しいデータ形態、役割、所有権、使用方法を盛り込んだものとして契約書を書き換える必要があるでしょう。これは決して簡単な作業ではありません。建設プロセスの基本構造の変化であり、業界を根本的に変えてしまうものです。ヨーロッパではすでにこの論争が起きていますが、まだ明確な結論があるとは言えません。時に矛盾するような様々な手法があり、BIMデータを含む標準的な契約書の数も増加しています。この変化が勝者と敗者を産むことになると思いますが、より積極的にプロセスに影響を及ぼそうとするものが勝者となるであろうことは言うまでもないでしょう。私は日本の建設事業の関係者は、BIM導入におけるこうした側面も力を入れる必要があると考えています。日本が「法律」のガラパゴスに陥らないためにも。。。